2004.1 新設 歌象(うたすがた)画廊
藤川東一郎画伯とのコラボレーションアート


新たな意識の生成=歌象(うたすがた)の思い
和歌には古来、散らし書きによる色紙があり、俳句には俳画が
あります。これらは単なる文字(テキスト)に視覚表現を加えて
作品のもつ情趣を増幅させる一種の趣向です。正直のところ、
私は作品自体に色やかたち、あるいは音楽も孕まれているはず
と考え、色紙や俳画の趣向、さらには朗詠といったものにも疑
問をもってきていました。
ところが、敬愛する藤川東一郎画伯は「昔の歌人の方が美意識
にゆとりとはなやぎがあったのではないか 表現の幅にひろが
りがあったと感じる」「歌の発表方法はもっと自由であってい
いのでは」と指摘され、先生自ら私の拙い作品の「色紙の現代
版」を仕立ててくださいました。
それらを拝見し、先生が作品の意味、私なりに穿とうとした詩
の消息をうけとめるとともに、文字テキストを自在に配置し、
さまざまな図形の強弱や色によって新しい世界を創出してくだ
さっていることに驚きと感銘をうけるばかりでした。
これはもはや色紙とは言えず、いまひとつの独立した表現世界
をもつものと思います。藤川先生はこのことに関して、「歌象
・うたすがたと呼んでみたい」とおっしゃり、「貴歌を歌象化
する時 貴兄の意識に反応して私の意識が動き始める この時
に感じるのは 二つの意識が交じり合って別の新しい意識が私
の内で芽生えてくることです その新意識の動きのままに進む
と 歌象が生まれます 貴兄がその歌象を見て 二つの意識の
混合像を発見するのです これは今まで 私にも貴兄にも無か
ったものです 新意識が生まれたのです」と、教えてくださっ
ています。
そして、「これは人の意識の改革と発展して行く姿です 人間
の意識の遺伝的作業です このようにして人の意識は拡大し 
他の意識と交わる喜びを受け取るのです」と、「人の内面で働
く精神の交合」の精妙で奥深い真実を明かされています。
私事の披瀝で恐縮ですが、ぜひ、この歌象画廊に立ち寄ってく
ださい。私の元歌も併記していますので、新意識がいかに生ま
れているのか、どんな広がりをもっているのかを感じていただ
ければ、幸甚です

歌象画廊ブース1        

CONTENTSHOME